研究助成を受けた研究
1.児童虐待発生予防となる親性を育む有機的な連携実践モデルの構築
本研究の目的は、児童虐待発生予防を着実に進めていくうえで、特に思春期から妊娠期にかけての「親性」の定着は、継続的支援が有効であり、ポピュレーションからリスクアプローチまでの児童と保護者の親準備性を育む多職種連携の実践モデルの在り方を研究する。
◇研究者
研究代表者 中川 千恵美 大阪人間科学大学 人間科学部
研究分担者 中島 尚美 大阪市立大学 大学院生活科学研究科
2.地域子ども・子育て支援事業実施におけるアセスメント指標作成の開発的研究」
本研究の目的は、2015年子ども子育て支援新制度が実施された制度の変革期の中地域の子育て支援事業の展開を見据えつつ、実施してきました。すべての子どもを対象とする子育て支援事業のアセスメント指標作成を検討していくうえで、妊娠期からの切れ目ない支援の最初となる母子保健業務を担う保健師との連携に注目しました。自治体妊娠届の窓口での対応や、訪問事業や健診を通して乳幼児期からの全数に働きかける母子保健担当保健師は、児童虐待発生予防の観点からも、重要な役割を果たしています。改めて本研究目的は、子ども子育て新制度における、母子保健事業実施体制の現状と、保健師が妊娠期から子育て支援や福祉職はじめとした多職種との有機的な連携について、検討することとしました。
今回の研究成果を含め、地域特性を考慮して、子どもの自立に向けての情報共有や有機的な連携体制のあり方を蓄積していきます。今後に向けて、妊娠期からの親子の育ちの節目となる生活上の移行課題に対する継続的な子どもの養育体制の検討が、子ども家庭福祉実践における予防的な支援展開となり、すべての子ども・子育て支援と要保護児童対策の乖離を防ぐ一助になることを願っています。
◇研究者
研究代表者 中川 千恵美 大阪人間科学大学 人間科学部
研究分担者 中島 尚美 大阪市立大学 大学院生活科学研究科
研究分担者 小野 セレスタ 摩耶 滋慶医療科学大学院大学
3. 養育上の課題を持つ子ども家庭を含めた予防的な地域子育て支援事業の実証的開発研究
第一に子ども家庭への支援を先進的に実施しているオーストラリアビクトリア州でのBest Startプロジェクトの聞き取り調査を行い、地域におけるコミュニティファシリテーターの業務内容を整理し、本プロジェクト実施のガイドラインを翻訳した。第二に日本の子育て支援総合コーディネーターへの聞き取り調査からは、(1)いくつかの実施形態があること(2)情報提供から相談対応へつなげる際の課題の2点が重要な成果である。
第三に養育上の課題がある子ども家庭への予防的な支援については、オーストラリアビクトリア州のPlay Group VictoriaのSupported Playgroups活動及びMY Timeプログラムの情報収集を行った。これらの実践は、課題を持つ親に対する訓練を受けた親達によるサポートや当事者の親グループ作りの効果を確認した。
◇研究者
研究代表者 中川千恵美 大阪人間科学大学
研究期間 (年度) 2008 – 2010
4. 少子化社会における児童の健全育成支援システム構築に関する研究
研究概要としては、以下3点をあげる。1.児童館における育児支援について 2.Parentingのオーストラリア.ビクトリア州の動向に関する調査文献翻訳、3.子育て支援に関連するデータベース紹介である。
◇研究者
研究代表者 中川千恵美 大阪薫英短期大学
研究分担者 芝野松次郎 関西学院大学
研究期間 (年度) 1999 – 2000